データを伝える”ストーリー”

今回は、データを効率的に伝えるための手法である「Data Storytelling」という考え方について解説します。
チャートの見せ方の工夫については別の記事で書いてきました。どのグラフを選択するかや、見せるときに意識することなどは、こちらやこちらで触れてきました。
それを受けて、今回は”見せるだけなく、伝えるための技術”をまとめます。
Data Storytellingとは?
Data Storytellingとは、データ分析結果をただ羅列するのではなく、ストーリー性を持たせることで、データの持つ意味をより深く理解させる手法です。
データや分析結果を物語のように意識することで、聞き手にとって分かりやすく、記憶に残る形で伝えることができます。
Data Storytellingは単なるデータの視覚化ではなく、データに文脈を与え、聞き手の心を動かすといったことを可能とします。
Data Storytellingの目的
Data Storytellingの目的は、データをただ見せるだけではなく、ストーリー性を持たせることで聞き手に効果的に伝えることにあります。
例えば下記のような例があるとして、どちらが内容を理解しやすいでしょうか。
①270184502759234
②今日は天気が悪かったので、ショッピングをした。
①は数字の羅列で、なかなか記憶できないと思います。しかし、②の物語はその内容をすぐに覚えられて、「なぜショッピングをしたのですか?」と聞かれても答えられるかと思います。
このようにストーリー性を持たせることで、「記憶に残る」「人の心を動かす」といったことが可能となってきます。
ただデータを見せるだけではなく、ストーリー性を持たせなければ、相手に伝わらなくなってしまいます。
Data Storytellingの手法
文章を書くときに5W1Hを意識するように、Data Storytellingでも意識する内容があります。
Data Storytellingにおいて意識する内容は「4W」です。
要素 | 内容 |
---|---|
時(When) | 年月日や時間。 例えば「発注日」や「登録日」など。 |
場所(Where) | 地理的な情報。 例えば「地域」や「都道府県」など。 |
人(Who) | 人に関する情報。 例えば「顧客名」や「顧客区分」など。 |
物(What) | 物を区別するための情報。 例えば「カテゴリ」など。 |
4Wを意識すると、下記のような説明ができます。
「この地域では、〇〇の顧客区分において△△というカテゴリがよく売れています」
ただチャートを見せるのではなく、このように説明をしながら相手に伝えるということが重要になってきます。
実際に可視化を進めるときには、これら4Wを念頭に置きながらデータを振り分けておくことでスムーズに伝わりやすいチャートを作ることができます。
まとめ
Data Storytellingは、データを効率的に伝え、相手に理解・共感してもらうための強力な手法です。
せっかくのデータや分析の成果を最大限に活かすため、ストーリー性を持たせるということ、4Wを意識するということを念頭に置いていきたいですね。